誰もKyashを使ってない。
私はKyashという決済サービスを使っています。
いまだにQR決済などの電子マネーに対応していない店はあるけど、カードは使えたりするわけです。そういう時に財布感覚で使っています。
Kyashは便利です。
バーチャルカードはオンライン決済限定ですが、リアルカードを発行すれば、通常のVISAカードとしても使えます。
Kyashはプリペイド方式なので、本来はチャージして使うものですが、カードを登録しておけば、残高0円でも不足分をオートチャージしてくれます。
じゃあクレジットカードをそのまま使えばいいじゃないかと思うかもしれませんが、ちょっと前まで還元率が2%だったので、クレカとの間にかませることで、還元率をかなりブーストできていたんですよね。
過去形になってしまうのは、現在還元率が1%(または0.5%)になってしまったので、間にかませるうまみがなくなってしまったんですね。
まあ還元の大盤振る舞いで販路を拡大して、サービスが浸透してきた段階なので、いつかは終わるキャンペーンではあったのですが。
(還元率は下がってもポイントの2重取りはまだできるはず…)
しかしまだ私はKyashユーザーです。
旬を過ぎて脂が乗っていなくても尚使うメリットがいくつかあります。
①リアルカードがある
他のキャッシュレス決済サービスに無い利点です。前述したとおり、Kyashには残高と直接結びついたリアルカードがあります。
まだQR決済やタッチ決済に対応している店舗は、特に地方においては少ないです。しかし、カードでの支払いに対応している店舗はそれなりに多く、電子マネーで支払える店舗では〇〇ペイ、それ以外(居酒屋等)ではKyashのリアルカードで支払うようにしています。
個人的優先順位は 〇〇ペイ>カード>現金 みたいな。スマホの電池が切れたときの保険なんかにも使えると思います。
クレジットカードというとなんだか仰々しい支払いに使うイメージがありますが、Kyashなら気軽に使えると思います。私は近所の業務用スーパーがカードのみ対応してるのでフル活用してます。
発行手数料はかかりますが、NIKEのスニーカーを買うより遥かに安いし、還元率も上がるので、持っておくが吉です。
②利用状況が即時反映される
クレジットカードって使っても利用情報はすぐに登録されません。しばらくしてから登録されます。
Kyashの場合、すぐに反映されます。なんならアプリに通知が来ます。
クレジットカードを金の源泉のように使っている人がいますが、それは支払いと反映までの時間が起こす錯覚の一種だと思っています。
そもそもそういう人には、Kyashをプリペイドカードとして使う用途をおすすめします。
その月、あるいは週単位など一定期間分、使える金額を予めチャージおけば、残額が一目瞭然ですもの。セルフお小遣い方式。
カードを持ったら使いすぎてしまうのではないかと懸念がある人には特におすすめです。
③クレジットカードの統括管理
クレジットカードを何枚も持ち歩いている人は周りにいませんが、現に私は5枚くらい持ってるので。
クレジットカードを5枚まで登録できます。
アプリ上で利用するカードを切り替えることができるので、Kyashのリアルカードを一枚持ち運ぶだけで、最大5枚持ち歩くこととほぼ同義です。この場合はKyashをカードとの間にかませるだけでという使い方になりますね。
例えば「あ!このカード限度額いっぱいで止まってやがる!」という状況の時、万が一女の子に「今日は奢るよ」とキメた手前、振り返って「ごめんなさい」はね。
Kyashであれば、アプリ上で支払元を他のカードにチェンジするだけで、同じリアルカードで支払いが出来ます。
しかし、支払いの直前に怪しげな行動を取ることにはなってしまうため、訝しげに覗いてきたらこう言えばいいのです。
「俺、先端、行っちゃってンだよね…」
④フレンド間の送金機能
Kyashには送金機能があるそうです。
フレンド間で金のやりとりができるそうです。
例えば、居酒屋を例にとると、Kyashが無い場合、まずお会計を確認して、金額を人数で割ります。
あーだこーだ 誰が払う
アカン足りんやん
崩さんとアカンから払いますわ
いや待ってやワイもや
ほなどないすんねんアホ
↓
(乱闘)
となるわけです。
私は支払の段階では大体酔っぱらってて上機嫌なのでさほどこの時間を気にしたことはないですが、無きゃ無い方がいい時間ですよね。
余談ですが、朝起きたら家で、記憶はないけど財布を確認したら支払いはきっちり済ませていたことがあります。
しかし、Kyashがある場合、
じゃあ俺がKyashのリアルカードで会計済ませるわ
オッケーKyashで請求送っといて よろしく
なんと都会的で上品でスマートなんでしょうか。支払いから割り勘まで、Kyashで済ませることができます。
会計後、颯爽と立ち去る背中を見つめる店員たちの羨望の眼差しすら見えてきます。
しかし私にそんな経験はありません。
私の周りに誰もKyashを使っている人がいないからです。
誰もKyashを使ってない
周りの誰もKyashを使っていません。Kyashのフレンドは0人です。
なぜ誰も使わないか、持ってるだけでも損はないのになと思いますが、誰も使ってないのはそもそも知らない可能性があるなと考えました。周知のためにこれを書いた次第です。
そんなKyashですが、近日リアルカードがリニューアルするそうです。
https://kyash.co/kyashcard/?utm_source=crm&utm_medium=web&utm_campaign=kyashcard
このデザイン、所有欲がそそられませんか?
このカード、還元率とかはいいけどデザインがな…というカードがあったら、Kyashをかませるだけでもっと便利でスタイリッシュに早替り。
少しでも興味があるなら、バーチャルカードはアプリを入れるだけですぐに使い始められます。
あくまでプリペイドカードなので、定額制サービスには使えませんが、バーチャルカードだけでも、オンラインショッピングの支払いを代替できます。私はアプリの課金なんかはKyashでやってます。
興味がある方は、ぜひ、自分でも調べてみてください。
さいごに
最近、キャッシュレス還元事業で、
このマークをやたら見るようになりました。
コンビニ等チェーンで2%、他5%還元を行っている店舗もあるなど、電子マネー等キャッシュレス決済は使えば使うほど得をします。
Kyashに限らずとも、なんたらPayやなんとかペイやほんわかEdyなど、やたらいろんなとこがサービス展開しています。よく使うサービスで選んだり、よく行く店舗でよくキャンペーンをしているサービスを選んだり、選び方は人それぞれです。
ただ、始めてしまえば、いちいち小銭を探す手間も、そもそもちょっと買い物にいくだけならスマホだけで十分になります。
まだ始めてない人は、重い腰をグッと上げて、キャッシュレスの恩恵をビシバシもらっていきましょう。
時代の波に乗るなら今ですよ!
さあ!電子マネーを使って、
松屋のシュクメルリ定食を食べに行こう!
(チーズとニンニクたっぷりのソースで鶏肉とさつま芋を煮込んだジョージア料理。食わないとそれこそ損をする。)
以上です。
オリジナル小説を書きました。
プロローグ
昼休みの鐘が鳴った。作業を中断し、ジャケットを羽織り、そそくさと席を立つ。僕はいつも昼食は外で食べると決めており、特に誘いが無ければその日の気分で店を選ぶことにしている。
しかし最近は週に3、4回は同じ店に通っている。オフィスビルを出て、大通りを挟んだ向かいにある牛丼チェーン、松屋だ。
信号が青になり、横断歩道を渡る。同じく松屋に向かうように歩いているサラリーマンが早足で追い抜かそうとしてくる。よほど腹が減っているのだろうが、僕だって先を譲りたくない。歩調を早め、なんとか抜かされずに自動ドアをくぐった。
店内に入るとまず、券売機でメニューを選ぶ。牛丼はもちろん、カレーや定食などメニューが充実しており、毎日来たって僕を飽きさせない。
それでも何回も来ると大体選ぶメニューは収束するもので、最近は決まって一番シンプルで安価なプレミアム牛めしを好んで食べている。
そうだな、今日はネギ玉にするか、いやアタマの大盛りにしてみるか、などと考えていると、後ろで待っているサラリーマンが苛立たしそうに足踏みをしている。慌てて開いていたページのプレミアム牛めしのアタマの大盛りを選択し、支払いを済ませる。券を取り、サーバーからコップに冷たいお茶を入れ、とりあえず辺りを見回す。
窓際の席。いた。間違いない、彼女だ。
彼女は、いつも窓際の席に座り、いつもカレーを食べている。他のメニューを食べているところはほとんど見たことはなく、あるとしてもせいぜいカレギュウ(カレーに牛肉が乗っているメニュー)くらいである。今日もいつもと同じようにロングの髪を後ろで束ね、白いワイシャツに、首に青いネックストラップの紐が見えている。
松屋のカレーはもちろん何度か食べたことがあるが、想像以上に辛く、秋口の涼しい日にも関わらず大汗をかいてしまったことがある。それもそのはず、松屋のカレーは、14種類ものスパイスを使った妥協を辞さないこだわりの一品である。そんな刺激的なカレーを彼女は涼しい顔で、黙々と食べ進めている。
そう、最近松屋に通い詰めている理由は彼女にある。彼女もまた松屋フリークのようで、オフィス近くの道を歩いているところを見かけることはあるが、それ以外では松屋で見ることが多い。
彼女のことは、松屋が好きであろうこと以外、何も知らない。いつもパンツスーツを着ているが、どんな職種かも知らない。ある日僕が松屋で昼飯を食べていると隣に座ってきて、松屋に常設している紅生姜のように頬を上気させながらカレーを食べる彼女の横顔に一目惚れしたのがすべての始まりだ。それ以来、松屋に来たときは自然と彼女の姿を探すようになり、松屋に来る頻度も増え、今に至る。
少しみとれて呆けていると、先ほどのサラリーマンに先を越され、よりにもよって彼女の隣を座られてしまった。サラリーマンの汗ばんだ背中を恨めしそうに観ながら、仕方なく彼女が座る窓側の席の後ろ側にあるテーブル席に座った。
座って待っていると、店内の電光掲示板に自分の注文番号が表示された。そう、松屋は完全セルフシステムで、店員の負担が少ない分高い回転率を実現させている。しかしまだ始まって間もないシステムのため広く認知されておらず、いまだにカウンターに食券を出しに行ってしまう客も多い。
券を手に席を立ち、振り返ると目の前に、いつの間にかカレーを食べ終わって食器を下げるためにトレイを持って立っている彼女と目が合ってしまった。
驚いた勢いで思わず「どうも。」と会釈をしてしまった。何が、どうも、だ。彼女とは話したこともない。額に冷や汗が浮かび、脳がオーバーヒートしそうになる。
しかし彼女は最初こそ怪訝そうな顔で見ていたが、次の瞬間には笑顔を浮かべ、「どうも。」と返してくれた。そして、「よくお見かけしますよね。」と言葉を続けた。
事態が整理できず突っ立っていると、食器をカウンターに下げ終わった彼女がまた目の前に来て、「お先に失礼しますね。」と一礼し、ジャケットを脇に抱えて店の外に出ていった。
しびれを切らした店員がカウンターから、「125番でお待ちのお客様、いらっしゃいますか?」と、声を上げて呼び掛けている。そうだ、僕の番号だ。券を店員に渡し、領収書となる半券を受け取り、通常より牛肉が多く乗っている牛めしとセットの味噌汁が乗ったトレイを持つ。
座って一息つき、またそこから深呼吸をして、落ち着くまで待った。呼吸をするのを忘れていたのか、酸素が足りず、頭にモヤがかかっているかのような感覚に陥っている。
そうだ、さっき彼女と初めて言葉を交わした。挨拶だけではあるが、確かに交わした。初めて話した喜びを噛み締めながら、何度も会話をなぞった。
彼女、よくお見かけしますと、そう言っていたな。間違いなく彼女は、僕を認識してくれていたのだ。当たり前といえば当たり前だ。僕だって最寄り駅の利用者の何人かは、顔に覚えがある。そんな些細なことかもしれないが、僕にとっては至上の幸福だ。
初めて見た彼女の笑顔と、落ち着いて透き通った声に、思っていたよりも柔和な印象を受けた。それでも僕の彼女に対する想いは、一層アタマの大盛りになった。
色々と思案していたせいで、気がつけばセットの味噌汁の湯気は消え、昼休みの時間も残り少なくなっていた。慌てて牛丼を掻き込み、味の薄い松屋の味噌汁で胃に流し込んだ。
おわり。
ちなみに最近のお気に入りの松屋メニューは、ブラウンソースのハンバーグ定食です。マジでうまい。ビッグボーイよりうまい。木更津店だとデフォで定食のご飯おかわり自由(これヤバイですよね)なので、無限にメシを食える気がする。まあ気がするだけですけど。
ブラウンソースハンバーグ定食
あと、松屋の味噌汁の味が薄いのはマジですよ。あるあるですよね。
以上。松屋サイコー!
ジョブズの遺志は、松屋へ。
iPhone 11が発表され、搭載された3眼カメラに注目が集まっている。
その突飛とも言えるデザインは、ドラゴンボールの天津飯のような、三ツ眼のキャラクターを彷彿とさせるが、いずれも人の理から外れている。件のiPhoneもまた、携帯電話の理を外れようとしているのだろう。
しかし、奇抜なデザインのみが先行し、スマートフォンでのカメラ体験を一眼レフに勝るとも劣らないステージまで引き上げたその技術に目を向ける人はいくらいるのか。一方で確かにイロモノとして見られてもしょうがないような尖ったスペックには、市場とのニーズのズレを感じてしまう。
このような状況を見ると、つい、ジョブズに思いを馳せずにはいられない。彼の目には今のAppleはどう映るのだろう。
しかし彼の遺志は確かに受け継がれているのだ。ところがそれはAppleではなく、今日飲食業界で世界を席巻している、松屋フーズグループである。
「松屋は牛丼屋」と認識し、すき家や吉野家と並べて語る人はさぞ多いだろう。しかしそれは大きな間違いであり、そればかりかそのような考えを持っている人はみな「牛丼ゆとり世代」であるとも言える。
すき家には日夜ところ構わずバイクをフカし100dBで談笑している連中が集まるのに対して、松屋にはネクタイをウィンザー・ノットで締めた高貴なビジネスマンの利用者が多いことも、その事実の裏付けとなっている。
また、松屋は常に最新のテクノロジーを追い求めており、飲食業界における技術力の頂点に君臨しているのだが、それについてはまた別の機会に紹介したい。
そんな松屋がAppleのiPhone 11の販売に先駆け、ある新メニューを提供している。その名も、「牛と味玉の豚角煮丼」である。
散歩コースに松屋が含まれている私は、新メニューの気配を肌で察知し、先日ついにその全貌を目の当たりにした。
丼ぶりはいつも使われているものより広めで、溢れんばかりの具を見事にその体内に納めている。このときばかりは理性はすっかり鳴りを潜め、この丼を恣にしたいという欲求に身体は堪えきれなくなってしまうだろう。
丼の上にはニュートラルの牛肉と、味玉、でっぷりとした角煮と、彩りと薬味を兼ねた二種類のネギがある。しかしやはり特筆すべきは「沖縄ラフテー風」と銘打たれた角煮だろう。最近沖縄旅行に行く機会を自ら蹴り、今になって普通に暇だしとても楽しそうな様子を見て多少悔しい思いをしている私にはありがたい。
しかし、私は普段であれば角煮に対して大した期待はしない。フード・チェーンで提供される角煮にはジューシーさがなくもそっとしていることは少なくないからだ。
しかしどうだろう、その考えは箸でつついた瞬間に打ち砕かれる。箸の先からは「固さ」を微塵も感じさせない、そこにあるのは最早、あの部活帰りの夏の日に見た、入道雲のそれである。あるいは、夕暮れの茜空の下で感じた唇の柔らかさ。それほどまでに青春を思い起こさせ、たまらず口にいれた角煮はホロホロと溶けだし、「思い出」となり、全身に染み渡っていった。
加えて丼の上にあるのは「青春」だけではない。牛肉には普段と変わらない、母のような暖かさ。味玉の弾力と食べごたえは、厳しくも見守ってくれた恩師を彷彿とさせた。
そう、この丼は、言うなれば「10代の思い出」なのだ。「期間限定大盛り無料」というキャンペーンも10代のわんぱくさを思い出してしまい、ついつい大盛りにしてしまう。
牛肉・角煮・味玉の3つの内、どれが欠けても成立しない、そんな思い出を体現した丼であると考えられる。
ところで、この丼は3つ、大きな3つの要素で構成されていたのだ。この「3」という数字を私たちは知っているはずだ。
そう、iPhone 11である。奇しくも同じ「3」という特徴を持つ両者が、新メニューとして同じ時期にぶつかったことには何者かの意思を感じざるをえない。
そう、ジョブズである。さらに言えば、それはジョブズの遺志を宿した松屋であり、iPhone 11の対抗馬、ひいてはAppleを正しい道に導くために産み出したメニューが「牛と味玉の豚角煮丼」であると考察する。
新型を出せば勝手に売れるiPhoneが、まさか後ろから、飲食業界に刺されるとは誰が考えるだろう。しかし私はこの丼に出会い、込められたジョブズの想いを頭でなく、舌で理解した。Appleに対する銀の矢たりえると。
iPhone 11の対抗馬はGalaxyでもXperiaでもPixelでもない、松屋の沖縄ラフテー風「牛と味玉の豚角煮丼」であると、私はここに断言する。